2007年12月31日月曜日

今年も最後、そしてパリの夜も最後。

アパルトマン退去の日。

朝早く起き、最寄りのパン屋であるエリック・カイザーへ向かった。
午前7時。
辺りはまだ暗い。
清掃員が道路の掃除をしている。

ほぼ毎日、このパン屋で何かしらパンを買っていたので、店員さんの顔も覚え、店員さんもなんとなく私の顔も覚えてくれた。
今朝は奮発して、朝からパ・オ・ショコラ。
まだ店頭には並んでなく、奥から出してくれたそれはまだほんのり温かい。
お店を出る時最後に店内をぐるりと見渡し、心の中にこの風景を焼き付けて感謝の気持ちをつぶやいた。

パンを抱え小走りにアパルトマンへと向かう。
なんだかすごーく悲しくなって涙がほろり・・と目を閉じた。
と同時に、足元がムニュ。
最後の最後にして踏んでしまった!!
しかも出来たてホヤホヤな犬の糞。。。
舗道の縁石の角で糞を取り、小さな水たまりで靴の裏をピチャピチャと洗っていると、清掃員の黒人のお兄さんがやって来て「オララ~!踏んじゃったんだね。この水で洗い流しな。」と、舗道の側溝から道路清掃用の水を勢いよく出してくれた。

犬の糞を踏んじゃうなんて、ある意味パリの終わりに相応しいかもしれない。

朝食を取り、簡単に掃除をし荷物をまとめて11時のチェックアウトを待つ。
バスルームからはコンコンと工事の音。
というのも、最後の最後にしてバスルームが水漏れしてしまったのだ。
2日前のことである。
時計が夜中の12時を回った頃、突然玄関の扉のベルが鳴った。
こんな時間に一体誰だろう?
恐る恐るドアののぞき穴を覗き込んだ。
ドアの向こうには善良そうな初老の男性が立っている。
私は乱暴に「Qui est-ce?(誰ですか?)」と言い放った。
すると「夜遅くにごめんなさい。私はあなたの階下に住むものです・・・」と。
本当かな?と警戒しながらもドアを開けた。
するとどうやら、うちの浴室から水漏れしているらしいとのこと。
ちょうど夫はシャワーを浴びている最中だったので、
そのおじさんと現場を見に行った。
確かに水漏れしている。
アパルトマンの保険にも加入していたので保険でカバーできるだろうと思ってはいたが、パリを去る日が目の前。
きっと修理に入るのは年明けだから、そうなると保険の期間が終わっている。
なんだか面倒なことになりそうだ・・と心配していたが、大家さんに伝えると「心配しなくてもいいよ。これは、大家側の責任だから。」と。
そういうわけで、大家さんと職人さんが今朝早くからやって来て、私達と入れ違いにやってくる次の入居者に備えて工事をしているのだ。

重い荷物を引きずって、タクシー乗り場へ向かう。
タクシー乗り場が近所にあったのが救い。
今晩の宿は左岸のポンヌフ近くにある。

サンミッシェルのケバブ屋さんで腹ごしらえした後、昨日行ったカフェ同様「Before Sunset」に登場した本屋さんへ。


その後、Le Monde誌本社の建物を見に行った。
ムフタールを散策し、モンジュ通りのカイザーで明日の朝食のパンを調達。
この数件隣には、BIOのパンのみを扱うカイザーの店舗がある。
食べてみたかったなぁ。

本当に今夜が最後の晩餐。
最後の晩餐に選んだお店は、約5年半前に夫と出会って初めてデートしたお店。

食後はトロカデロにエッフェル塔のキラキラを見に行った。
年越しはポンヌフからエッフェル塔を眺めながら。みんなシャンパーニュ片手にカウントダウン。
エッフェル塔がキラキラと輝き出したその瞬間から2008年になる。