2007年8月25日土曜日

おはぐろトンボと映画祭*

毎年この時期になると、幼なじみと夜な夜な通った湯布院映画祭を思い出す。今では映画祭からも映像センターからも随分足が遠ざかった生活をしているけれど、「湯布院映画祭」と聞くとなんとなく楽しい気分になる。映画祭も終盤にさしかかった土曜日、母が湯布院である人形教室の日だったので、私も一緒についていき母が教室の間、私は湯布院散策を楽しんだ。

湯布院の川べりでは風物詩である「おはぐろトンボ」が戯れている。昆虫類は好きでも嫌いでもないが、このおはぐろトンボだけば別格で、ずっと眺めていても飽きず、できることなら連れて帰りたいとまでも思ってしまう。ベルベットのような質感の黒い羽はこのうえなく上品で頬ずりをしたくなるくらい。羽の根元にはしなやかな細い体。この体、黒いものと青緑のもの2種類ある。きっとどちらかが雄でどちらかが雌なのであろう。おはぐろトンボを写真にキレイに収めたいと試みるが、動き回るものを撮るのはなかなか難しい。

おはぐろトンボに後ろ髪を引かれながら、亀の井別荘の天井桟敷で休息をとった。

本を片手に旬のメニュー「野苺のアイスクリーム」。野苺の季節にたくさん摘んでストックしているらしい。この辺りでは野苺がたくさん自生しているため、湯布院の随所で野苺をつかったメニューがみられる。中でも「ことこと屋」の野苺ジャムはお気に入り。「湯布院」「映画祭」「野苺」「ことこと屋」というキーワードで、湯布院を舞台にした映画「身も心も」で、かたせ梨乃が山で野苺を摘みジャムを作る姿、そしてこの主題歌となっている石川セリのアンニュイな歌声が頭をよぎる。
少し話がそれてしまったけれど、この「野苺アイス」、甘酸っぱくてとにかく美味しかった。

天井桟敷を一歩踏み出した途端、大雨にみまわれた。最近はいつも折りたたみ傘を持って歩いてるのだけど生憎今日に限って持っていない。きっといつもの夕立だろうから、そう長くは続かないはず。それに今からどうせ温泉に入ろうと思っていたのでびしょ濡れになっても構わないや・・・とぶつぶつ思いながら町営の「ゆのつぼ温泉」へ向かった。温泉は貸切状態。これまた極楽。

そうこうしているうちに、母との待ち合わせの時間になった。